ntmukaiの日記

飽きっぽいプログラマーの日記。ほんと飽きるのだけは得意。おもにポエムを書いています。

せっかくなので初代ゴジラを見たけれど、思ったよりずっと淡々としていた話

久しぶりにAmazonプライムを眺めていたらあのゴジラシリーズが一挙に配信されていた。デアゴスティーニとかで「昭和の名作が蘇る!」とかって煽りでDVDシリーズが発売するたび視聴欲を刺激されていたのでラッキー!と思いつつ再生ボタンをポチりました。




いや、もとはといえばアベンジャーズ・エンドゲームを見るためにアイアンマンから遡って巡礼するという苦行のためにAmazonプライムを眺めていたのだけど、よくよく考えればゴジラだって今月末にキング・オブ・モンスターズっていう怪獣大集合的な映画が公開されるのだから、これってもう同じなんじゃないか?と思ったりしまして。何が同じかは分からないけど。


それで、せっかくだから初代ゴジラから順番に視聴してみようかなーと令和初の熱い意気込みで再生スタートしたものの、果たしてシリーズ初代からこの調子で耐えられるのかな、っていうぐらい淡々とした映画だった。どれぐらい淡々としてるかっていうと、1時間半のうちだいたい1時間弱は無表情のゴジラが黙々と建物をぶち壊していく様子を眺めるだけでした(嘘)。初代ってことで過剰に期待しすぎてた自分に反省しました。


すこし真面目にいえば、クレジットでは(C)1954とあるからもうかれこれ65年前に制作されたことを考えると「技術的にかなりすごいような気がする!」と素人目には映りました。たしか1977年がスターウォーズだったはずで、であれば初代ゴジラのCGもけっこうイケてるんでないの?と思ったり。というのも、意外や意外に背びれから謎のオーラが出るシーンではCGっぽい何かの映像加工がされてたり、逃げ惑う人々と遠巻きの寡黙ゴジラの両方をあまり違和感なく一緒のカットに収めてるのはなかなか驚きました。


ただやっぱり映像は白黒だし演技も良い意味で昭和っぽくて(ごめんなさい"良い意味"は取ってつけてます)、見る人が見ればどうにかなるのだろう本物っぽい戦車や見る人が見ると腰を抜かしそうな不思議なミサイルを発射するミニチュア戦闘機の凝り具合は私の琴線にはかすりとも触れず、一方的かつ過剰に期待していたエンタメ感は思ったよりも全然まったく皆無でちょっと残念でした。


あと意外にガチで人々が死に直面してるシーンが多くて(そりゃそうなのですが)、しかもBGMが今では清水崇監督ぐらいしか使わないんじゃないのっていうぐらいの不協和音ばかりで心底怖かったです。ネットで当時リアルタイムに見た人の感想を読んでも、子ども視点だとゴジラの登場が少なくつまらなかったという人が多いのかな。


繰り返しにはなるけれどどんな名作もいちばん最初の草分け的な作品については期待値MAXで見ちゃいけないなっと反省しました。アイアンマンを見よう!というピクニックにでも行くかのようなテンションで初代ゴジラという65年前の世界へ足を踏み入れたことがまず第一の過ちでした。65年前の世界は暗闇でした。白黒だけに。


でももちろん「見てよかったなー!」っていう部分も当然あって。たしかマザー2で見たのが最後だったと思う懐かしの黒電話が登場し、汽車はギシギシ聞こえてきそうな木製で、その客室内もパーソナルスペースZEROってほど席の間が狭く、旧式の消防車には隊員が立って横乗りしてる(しかもそのままカーブに突入するのが爽快)し、サザエさんばりに木造平屋&石ブロック造りの門塀が立ち並んでる住宅地なんかもけっこう見ごたえがありました。


肝心のゴジラは思ったよりも出番がなく基本的には政府やその周辺があたふたしてる物語構成だったけれど、ああなるほどシン・ゴジラはこういう部分をオマージュしたんだなあと、今更ながらあれの批評でいろいろ見聞きしたネタバレ部分の種明かしができてそこは面白かったです。ただ途中の唐突な「エロ本」ネタは、わざわざ映像を止めてググるぐらい気になってしまった。あれは一体何だったのでしょうか。わかりません。


そしてこの記事を書き始めて4日ほど経った今日、ようやく初代ゴジラを最後まで見終えることができました。悲運の芹沢博士がオ%★△*!&デストロイヤー(子どもが騒いで聞き取れず)を携えて海底で寡黙ゴジラと対峙するラストシーンは本作一番の見どころだったと思います。ものすごく面白かったかと聞かれれば、当時の制作技術やテーマの先進性や熱烈なファンの方々を思い浮かべるとはばかれるものがありますが5秒で「面白くはありません!」と答えたうえで「でも見る価値はあります!」と補足するでしょう。おわり。